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2020年05月26日放送

時代考証

帰蝶の「立て膝」は史実だった

読売新聞 5月9日掲載

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ラジオ版New門 (文字起こしバージョン)

「この門を開けばニュースの世界がよりくっきり見えてくる」ラジオ版NEW門 ニュースの門です。今日は「時代考証」に関する内容です。ニュー門今月9日掲載の「帰蝶の「立て膝」は史実だった」についてピックアップしてお伝えします。

うーん。「立て膝が史実」というのはどういうことなんですか?

これはですね、戦国武将・明智光秀の生涯を描くNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」に登場する姫君たちの姿に、視聴者からSNSなどで違和感の声が上がっているポイントなんです。

はい。

それは、女優の川口春奈さんが演じている、織田信長の正室となる「帰蝶」などの座り姿が「立て膝座り」なのが、驚かれているんです。

うーん。確かに、この時代劇に出てくる女性が、この片方の膝を立てて座る「立て膝」の座り方をしているイメージってあんまりないかもしれないですね。

そうですよね。実はですね、当時の史実に照らし合わせた「時代考証」の成果だそうです。
主人公の光秀と睦まじく話すシーンも多い帰蝶は、座る際に、片膝を床について、もう片方の膝を立てています。

はい。

これまで、時代劇を見慣れた人には、正座しておしとやかに振る舞っている女性の姿が多かったせいか、これは不作法に感じられるのかもしれません。
しかし、衣装や所作の考証を担当した立正大学の佐多芳彦教授によりますと、立て膝座りというのは、板の間が一般的だった戦国期まで、膝に負担がかからない座り方として、武家の貴人女性の標準的な座り方だったそうなんです。

あー。そうなんですね。
意外な感じがしますけど、そういうことなんですね。

はい。あの豊臣秀吉の正室・ねねの肖像画など、戦国期の女性の絵画も実は立て膝姿が多いそうで、正座が正しい座り方として普及したのは、高級品の畳が広く流通した江戸時代だそうです。

うーん。(・0・。)

「麒麟」のチーフ演出を務める大原拓さんによりますと、大河ドラマでも過去に立て膝座りを採用したところ、「品がない」という批判も寄せられて封印されてきたそうなんです。

そうなんですね。

大原さんは「立て膝姿で男性と対等に渡り合う武家の女性の強さも伝えられる。現代なら共感してもらえるのではと思った」と話しているんです。

見る側もそれを受け入れてくれるという期待があったんですね。

そのようですねー。
ところで、そんな時代考証では、民放の時代劇などでも、昔から細かく気を配ってきたそうなんです。

はい。(?´・ω・`)

例えば、
江戸時代では、旗を揚げるの「揚」。揚妻さんの「揚」。という漢字に、屋根の「屋」と書く二文字(揚屋)を、「あがりや」と読むと牢屋という意味になって

はい

「あげや」と読むと、遊郭の意味になったそうなんです。

全然読み方で意味が全く違うんですね。

そう。かなり違いますよね。
時代劇で、町娘に絡む男を、「『あげや』に放り込め」と奉行が命じる場面があったとすれば、
もう作品が台無しになってしまうので

うーん。(。-`ω´-)

細かく気を配っていたんですね。
最近は「歴女」に代表される歴史ブームで、時代劇を見る視聴者の目が肥えているので

はい。

制作者側はよりその細かい細部の作り込みを重視して、物語の迫真性を高めているそうです。

なるほど。歴史が好きな方、詳しい方も多いですし、時代劇もより細かい部分の作り込みが求められる。ということなんですね。

そのようなんですよ。ただ、史実に忠実な描写ばかりが時代劇ファンに受け入れられるかというとそうとは限らないようなんです。

はい。

例えば、1960年代以降、人気を博してきた「大奥」とか「大岡越前」などの華やかな見せ場は、最たるものなんです。

はい

最新の研究では、よくある晴れた日の晴天の屋外のある「お白洲(しらす)」の裁き。
あるじゃないですか。

はい

じつは、一般的には屋内で行われていたそうなんです。

あっ、そうなんですね!

また、将軍が大奥に「御成(おな)り」になる場面。
あの大奥の女性がずらーっと並んでいるシーンありますけども

はい

城内の廊下が狭くて、両脇に多くの女性が並ぶ余裕はなかったそうです。

あ。そうなんだ。Σ( ̄ロ ̄lll)

でも、こうした表現っていうのは、時代劇としての様式美があって、今も制作で重宝されているそうなんです。

史実とは違っても、時代劇ならではの名場面になっていますよね。

そうですよね。エピソードでも同じことが言えまして、例えば、戦国武将の加藤清正が、1596年、伏見地震のとき、豊臣秀吉の元に真っ先に駆けつけたという美談は有名なんですけれど

はい

史実では2人は同じ場所にいなかったそうです。

そうなんですね。( ・∀・)

東京都市大学の丸島和洋准教授は、2016年の大河ドラマ「真田丸」の時代考証で、「地震発生時の場面で清正を登場させなかったので、批判もありました」と苦笑いしています。

どっちがいいのかほんとにバランスが難しいですね。

そうなんですよ。
さらに時代考証の研究が進んだ今でも、細かい部分っていうのは解明し尽くされていないので、番組制作に一定の想像は必要なこともあるそうです。

はい。(* -ω-)

例えば、マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙」では、長崎のキリシタン弾圧を描いた場面で、踏み絵を、裸足じゃなくて草履で踏むようなシーンが登場します。

はい

これ、制作者から問い合わせを受けた時代考証会長の東京学芸大学の大石学名誉教授は、
史実的には、裸足なのか草履なのか、断定できなかったそうで、「制作者の細部へのこだわりから、思わぬ歴史の論点を提示されることもある」と大石さんは話しています。

映画だったり、時代劇で「描こう」として初めてその史実が注目されることもあるんですね。

そうなんですね。
テレビ時代劇が始まったころと違って、現在では、歴史に関する史料が充実していますし、民衆史とか女性史、社会史など多彩なテーマによる研究も盛です。
近年では城郭、建築、古文書など色んなジャンルの専門家が考証に参加するようになってます。

はい。

さらに、考証家も、単に史実的に誤りを指摘するのに代って、近年は脚本作りの段階から加わることも多いそうです。

へー。

この場面は史実なのかとか、

はいはい

どんな考証がされたのかなとか、
時代劇、歴史物の作品を見るときに意識してみると面白そうですね。

そういう見方で見ると、新しい発見がありそうですね。

ね。1個1個みて、このシーン本物だったのかなとか

はーい!(*・▽・*)

想像だったのかな。とか楽しめそうです。

おもしろそうー!