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ラジオ版「New門」

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2020年06月30日放送

暇と科学

科学の革新「暇」と「雑談」から

読売新聞 6月13日掲載

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ラジオ版New門 (文字起こしバージョン)

「この門を開けばニュースの世界がよりくっきり見えてくる」ラジオ版NEW門 ニュースの門です。今日は「暇と科学」という内容です。ニュー門今月13日掲載の「科学の革新 暇と雑談から」についてピックアップしてお伝えしていきます。

暇と科学の革新って、なんか遠いところにあるイメージがありますけどね。

そうですよね。新型コロナウイルスの影響で、外出制限が世界中で広がってから、テレワークやオンライン授業の導入など、社会活動に大きな変化が起きました。

はい。

一方で、中には家じゃ仕事がなかなかできなかったりとか、仕事自体が減ってしまって、気が付けば暇な時間が増えてしまったという人もいたと思います。

はい。

これは科学者の世界でも同じなんですけれども、

ええ。

ひょっとしたら、こんなご時世にこそ、革新的な科学が生まれるかもしれない。
というお話なんです。

あーそうなんですね。
でも自宅ですと、さすがに実験とか研究って難しそうですよね。

確かにそうですよね。中でもいろんな材料とか装置を扱う実験する研究者だと、在宅では実験が進まないためダメージが大きかったようなんです。

はい。

生物物理学などが専門の、東京大学の野地博行教授は「1か月以上、新しいデータが取れなかった」と話していまして、さらに、実験だけではなくて、国内外での学会のスケジュールも一気に白紙になったそうです。

なるほどー。(。•́︿•̀。)

他の多くの大学や研究室も同じような状態で、研究活動の大幅な制限が続きました。

研究者の方にとっては大打撃ですよね。

ところが、実は歴史を振り返ってみると、「災い転じて福となす」を地でいった例もあるんです。

たとえば、17世紀。イギリスで高い熱や呼吸困難などの症状が出て、
内出血で皮膚が黒ずむことから「黒死病」とも呼ばれた感染症の「ペスト」が流行しまして、

はい。

名門ケンブリッジ大が閉鎖されました。

はい。

このときに、大学に通学ができなくなって、やむなく故郷の村に戻ったのが22歳の頃の、あのアイザック・ニュートンだったんです。

あーそうなんですね。

ええ。

大学に行けなくなってしまって、思わぬ形で、ま、いろんなことを考える時間ができたということなんですね。

そうです。故郷での1年半の休暇中、思索にふけりまして、あの有名な「万有引力の法則」さらに「微分積分」そして「光学」という三大業績が生まれたんです。

へー。( ゜A゜;)

これが後に「創造的休暇」と名付けられた出来事です。

すごいですねー。

そうなんですよ。

ペストで大学が閉鎖されたことによる休暇のおかげで、三大業績ができたということで素晴らしいですねー。

そうともね、言えるんですよ。
そんな事例、他にもあるんです。

ニュートンと並び称される天才アルバート・アインシュタインは

はい。

大学卒業後に、研究職を得られず、研究所に就けなかったので、失意のまま23歳の頃、スイス特許庁に就職をしたんです。

はい。

しかしそこは、時間的に余裕のある、願ってもない職場で

はい

仕事の合間とか余暇に好きな物理学の研究に没頭しまして、

はい

就職から3年後、「奇跡の年」と呼ばれる1905年に「特殊相対性理論」など、後世に残る論文を次々に仕上げたんです。

へー。私たちの知っている、ニュートンだったりアインシュタインのすごい業績というのは、どっちも暇から生まれたってことなんですか?

そうなんですよ。暇から生まれたんです。とはいえ、時間的余裕があるだけで革新的なアイデアが湧くわけじゃありませんよね。

そりゃそうですよね。

そこで、科学の現場では、近年、異なる文野の専門家が、気軽に集って語らって、

はい。

ひらめきを得ることが重視されるようになりました。

うーん。

カフェ形式の談話スペースを設ける研究所というのも増えているそうなんです。

えーそうなんですね。雑談を重視するということですか?

はい。例えば、最先端の科学で、宇宙の謎に迫る研究をしている、千葉県柏市の「東京大カブリ数物連携宇宙研究機構」では、

はい

毎日午後3時に研究者が雑談をする「ティータイム」というのを設定しています。

へー。(*´ω`*)

この研究機構の村山斉教授は「研究で疑問が浮かんだとき、何げなく異なる分野の同僚に話しかけると、一気に視界が開けることがよくある」と語っているんです。

そうなんですねー。

また最近は新型コロナウイルスについて、専門外の科学者たちが自らの技術や能力を生かして、感染防止対策の提言などに取り組む姿が目立っていますけれども

ええ。

異なる文野の研究者から、新たなひらめきというのが得られるケースも少なくないようです。

専門の壁を越えてみる。というのも大切なのかもしれないですね。

そう言えるかもしれませんね。
さらに、新型コロナ対策で、直接会っての雑談というのができない状況でも、

はい

世界中の研究者がビデオ会議システムを使ってコミュニケーションを取り始めていまして、

うーん。

若手の研究者たちがネット上で自己紹介をして、人脈を築いていくという試みも広がりつつあるそうなんです。

はーい。研究者の皆様もこの困難な状況に負けずに頑張っているっていうことなんですね。

そのようなんですね。
研究機構の村山さんは「困難な状況で成長するのが人間だ。

はい。

科学にも大きな変化が起きるだろう。
不謹慎かもしれないが、それを期待したい」と話しているほかに

うーん。(。-`ω´-)

実験がストップしてしまったという東大の野地教授も「人間は、手を動かす時間がないと頭を使う」

ほお。(*゜0゜)

「自宅でできる実験装置を作れば、みんなで情報共有をしながら研究を進められるかも」と新たな構想を練っているんです。

素晴らしいですね。底力を感じるコメントですね。

ですよね。さらに言えばですよ、そもそも学者を意味する「scholar」(スカラー)や、学校を意味する「school」(スクール)という英単語。
もともとギリシャ語で暇を意味する、「skhole」(スコレー)という単語が由来だそうです。

あーそうなんですねー。

そうなんです。

暇と科学の革新がなんだか近い関係に思えてきましたね。

ね。遠い感じがしたけど、意外と近いイメージになってきましたよね。

そうですね。

思いがけない休暇や余暇を最大限生かして、歴史に名前を遺した先人たちのように、この困難な時期から、科学の新しい地平を開く研究者が出てくるのを期待したいものです。

はい。

やっぱり私たちも暇とか雑談を楽しみながら、いいひらめきを得たいものですね。

そうですよね。いま、あの自分のいる環境だったりとか、その持っている時間などをどう捉えて活用していくかは自分自身なんだな。と、お話を聞いていて思いましたねー。前向きに捉えていきたいと思います。