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2021年01月19日放送

里親

欧米著名人らが血縁ない子供を養育、「里親」日本では…

読売新聞 12月18日掲載

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ラジオ版New門 (文字起こしバージョン)

「この門を開けばニュースの世界がよりくっきり見えてくる」ラジオ版NEW門 ニュースの門です。今回のテーマは「里親」です。
NEW門先月18日掲載の『欧米著名人らが血縁ない子供を養育、「里親」日本では…」についてピックアップしてお伝えしていきます。

はい。欧米と日本で、里親の事情に違いがあるんですか?

そのようなんです。親からの虐待とか貧困などによって保護をされた子どもたちは、日本では児童養護施設で暮らすのが一般的になっていますが

はい。

欧米諸国では養父母や子どもを預かる里親の家庭で育てるのが「常識」となっているんです。

はい。

そして日本も、「施設から家庭」への転換に動き出しているんですが、これが広まっていくのか、注目されています。

そうなんですねー。確かに海外の有名人が身寄りのない子供を育てるという話は耳にしますねー。

そうですね。ハリウッド女優やアメリカの連邦最高裁判事、有名映画監督など、欧米では、著名人が血のつながりのない子どもを引き取って、自分の子どもと一緒に育てる様子が広く知られています。

はい。

欧米では一般家庭でも、養父母や里親として、身寄りのない子どもを育てることは決して珍しくはないんですが、

はい。

日本では、まだ驚きを持って受け止める人が少なくないようなんです。

うーん。

これ、いろんな事情で生みの親が育てられない子どもを保護して、児童養護施設や里親の家庭などで育てることを「社会的養育」と言うんですが

ええ。

虐待などを未然に防ぐためにも、子供を社会全体で育てて支えていこうという仕組みになっています。

日本ではそういう子供が、どれぐらいいるんでしょうか?

はい。日本では、こうした子どもが2018年度、全国に約4万5000人いて

はい。

その大半が施設で暮らしています。

うーん。

そして里親の家庭などで暮らす子どもの割合(里親委託率)は、2割程度にとどまっているんです。

そうなんですねー。

はい。一方で、欧米ではこの比率が逆転していまして、

はーい。

保護をされた子どものうち、里親家庭などで暮らす割合は、オーストラリアがおよそ9割、アメリカでおよそ8割にのぼるそうで、イギリスやドイツでも半数を超える子供たちが家庭で暮らしているんです。

そうなんですね。どうしてこうも日本と欧米で違っているんでしょうかね?

ねー。これがですね、この背景には戦争で保護者を失った戦災孤児への対応があるようなんです。

はい。

日本では、終戦後、街にあふれた戦災孤児を救うために、地域で慈善事業などに力を入れる人が、自分の財産を投じて子どもが集団で暮らす施設を作って、児童福祉を支えたという歴史があります。

はい。

そして復興が進むにつれて、虐待から子どもを保護するケースが増えていったそうなんですが、子どもの預け先を「施設中心」とする考えが長く維持されてきたんです。

そういった歴史があるんですねー?

そうなんです。一方、欧米では、子どもの発達にとって、幼少期から家庭で特定の大人に育てられる経験が重要という考え方が早くから確立するなどしまして、

はい。

「施設から家庭」への転換が進んだんです。

はい。

イギリスの場合、1970年代には施設暮らしが大半だったものが、政策の転換と民間の支援団体との協力などで、今や家庭での養育との比率が逆転しています。

はい。

こうした考え方は、国連総会で1989年に採択された「子どもの権利条約」にも反映をされていまして、今や世界的に、保護が必要な子供を家庭で養育するのを優先する考えが主流になっています。

なるほど。それで、日本でも子供の養育を施設から家庭にしようという流れになってきたわけですねー。

そのようなんですね。日本でも2000年代に入って、施設の小規模化というのが本格化して、子供の個室を確保したり、家庭に近い環境作りというのは進んできました。

はい。

しかしながら、職員が交代で世話する施設では、いわゆる家庭の日常というのは、なかなか経験できません。

うーん。

そんな中で、日本もようやく政策転換に本腰を入れ始めたんです。

はい。

2016年に成立をした、改正児童福祉法では、子どもが家庭で育つことを目指す「家庭養育優先の原則」というが明確にされました。

はい。

そして2017年には、厚生労働省の検討会が「新しい社会的養育ビジョン」を策定し、保護された3歳未満の乳幼児について、「おおむね5年以内に里親委託率を75%以上に引き上げる」など、アメリカ並みの高い数値目標を打ち出したんです。

はい。

そして施設は、障害を持つ子のケアなど、より専門性の高い役割を担うとしたんです。

かなり大きな変化になりそうですよね。

はい。しかし、都道府県などの今年度から10年間の計画をみると、この国の水準に達する目標は一部にとどまっています。里親になる人が少ない実情というのも背景にあるようで、なり手を増やして、孤立をさせない取り組みの充実が求められそうなんです。

里親のなり手不足というのも課題なんですね?

そうですね。
なお里親になるには、最寄りの児童相談所に相談をすることが第一歩になります。そして数日間の研修とか実習、家庭訪問を経て、

はい。

都道府県などに認定・登録をされるもので、5年ごとに登録の更新が必要になります。

はい。

ちなみに、厚生労働省によりますと、保護された子どもを預かっている里親はおよそ4400世帯ありまして、およそ5600人の子どもが暮らしています。預かる期間は、数週間ほどの短期だったりとか、大人になるまでなどほんとに様々で

へー。

子ども1人当たり月9万円の手当が支給されるといった支援もあります。

そうなんですねー。そもそも里親の制度自体知らない人も多いかもしれませんよね。

そうですね。国は、里親の候補者探しから、子どもの委託した後のサポートに至るまで、一貫して支援をする機関の設置を、都道府県や政令市で始めています。

はい。

このほか、里親以外の受け皿として、子育てが難しい生みの親との法的な親子関係を解消して、

はい。

養父母と法的にも親子になる「特別養子縁組」もあるんですけれど、

ええ、ええ。

こうした制度への理解を進めるということも大事になっていきそうです。

そうですよね。日本の将来を担う子供たちを、どう社会全体で守って育てていくかっていう今の現状だったりとか、里親の制度なども知って、理解していくことが大事になりますよね。

そしてどういい環境を作っていけるかというのも大事になりそうです。